Wi-Fi HaLowをご存じでしょうか。
これは、低消費電力で長距離通信が可能な通信規格で、正式には「IEEE 802.11ah」といいます。
IoTやスマートデバイスの普及が進む中、そのニーズに応える新しい技術として注目されています。
弊社ではWi-Fi HaLowに早くから注目し、Wi-Fi HaLow環境下でのインカム通信やドローンの遠隔操縦をテーマに、安定した通信を確保する技術研究や実証実験に取り組んでいます。
その理由は、当社の得意分野であるモビリティの遠隔操縦や、遠隔監視、音声や映像を使った遠隔コミュニケーションにおいて、通信の安定性が非常に重要な課題になるからです。
弊社の事例ではほぼすべてがLTEや5Gなどの携帯通信網を利用していますが、場所によっては電波が不安定になることもあります。
そのため、補完的な通信手段としてWi-Fi HaLowが話題にあがる機会が増えています。
Wi-Fi HaLowは、見通しの良い環境であれば半径1kmほどの長距離通信が可能です。
また、TCP/IPプロトコルを使用しているため、既存のインターネットインフラやシステムとも結合しやすいのが特徴です。
この特徴から、Wi-Fi HaLowは弊社の得意分野との親和性が高いと期待しています。
Wi-Fi HaLowが広く普及するまでにはまだ時間がかかりそうですが、弊社も参加している「802.11ah推進協議会」を中心に、社会実装に向けた議論や実験が進められています。
最近、弊社が実施した実証実験では、見通しの良い島と港を結ぶ約2.5kmの距離で、音声の双方向通話に成功しました。
今後も追加実験も予定していますので、その結果についてもまたこの場でレポートしたいと思います。

公開日時:2025.01.27